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Shota Maehara's Blog

Archive for 2009年2月

われこの国を想う―日本文明の覚書

Posted by Shota Maehara : 2月 26, 2009

asia_map21世紀日本が新しい独自の文明国として歩むために、主に三つの点が吟味に値します。

1.個人の価値(Value of Individualism)
2.革新と伝統(Reformation and Tradition)
3.小国主義(Little Japanism)

まずアジアが急速に発展する中で、共同体的な価値観と個人の価値観がどんどん乖離してゆくでしょう。その時、人々は変化の試練に耐えていけるか、反動(民族主義・宗教原理主義)へと向かうか否かは重要な問題です。その意味で命運を占う鍵になると思われるのは伝統的にアジアで軽視されてきた「個人の価値」を見直すことです。

次に伝統的に受け継がれたものを壊すことも、古いからと言って残すことも答えにならない。むしろ、秩序の安定のためにもそれがどういう役目を担ってきたのかを合理的に判断した上で、どれを廃止しどれを再利用していくかを決めていくことです。まさに「温故知新」こそ新しい時代のキーワードです。

最後に、バブル崩壊後、高度経済成長を終えた日本が目指すべき文明の形は、「小日本主義」です。かつての大英帝国衰退後の英国がそうであったように、極東の島国として、知徳の面でアジアに存在感を高める。特に、遺伝子工学や環境技術などの面で。

現在、多くの問題を抱えていますが、私は日本は必ずや変われると信じて疑いません。

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ファザル・アベドBRAC創設者兼会長―貧困撲滅は市民の義務。政府だけの仕事ではない

Posted by Shota Maehara : 2月 22, 2009

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ファザル・アベドBRAC創設者兼会長――貧困撲滅は市民の義務。政府だけの仕事ではない(1) – 09/02/22 | 21:00

 バングラデシュの貧困撲滅活動といえば、貧しい人々への少額融資(マイクロファイナンス)を行うグラミン銀行がよく知られているが、これと並ぶ存在がBRAC(バングラデシュ農村向上委員会)である。世界最大の非政府組織(NGO)としてマイクロファイナンスのみならず、医療、教育、職業訓練などさまざまな貧困者支援を行っている。BRACを創設したファザル・アベド氏に現在の活動内容や今後の課題について聞いた。

――金融、医療、教育などBRACの活動範囲は幅広いですね。

 BRACはバングラデシュの貧困をなくすことを目的として1973年に設立された。現在では国際的に活動の場を広げており、アフガニスタン、パキスタン、スリランカ、さらにアフリカの5カ国(タンザニア、ウガンダ、スーダン、リベリア、シエラレオーネ)でも展開している。

 貧困問題が存在し続けるかぎり、BRACの存在意義もある。ここで言う貧困とは、単に所得や雇用の問題ではない。読み書きの能力、あるいは公衆衛生や栄養状態の改善といった総合的な問題だ。BRACの最終的な目標は、できるかぎり多くの分野において貧困撲滅のための支援を行っていくことだ。

 2008年の予算は6億ドル。その7割程度は自立財源によるもので、われわれの営んでいるビジネスからの収入で賄っている。また、1億5200万ドルがドナー(拠出者)から拠出されている。最大級の拠出をしているのがイギリス政府ならびにオランダ政府。さらにはカナダ政府、ノルウェー政府、そしてスウェーデン政府からも拠出をしてもらっている。ユニセフ、ゲイツ財団、ロックフェラー財団などもドナーとして拠出してもらっている。

 さらにマイクロファイナンス向けの資金が約2億ドルあり、この資金はシティバンク、HSBCといった銀行から借りている。

――自立財源を維持するため、どんなビジネスを行っていますか。

 まず銀行業が挙げられる。BRAC銀行は中小企業向けの融資を手掛けている。バングラデシュでは民間の銀行としては第5位にランクされる。その利益分がBRACの予算に回されている。

 バングラデシュ最大の手工芸品店のチェーンも経営している。さらに養鶏業も営んでいるし、飼料、ハイブリッド種子、ヨード塩などの生産も行っている。出版、印刷などのビジネスもある。さらには、BRACネットというインターネット・サービス・プロバイダや、小規模だがソフトウエアの会社も持っている。

――ビジネスを行う基準は?

 貧しい人々の暮らしが向上する、あるいは収入の増加に結びつくようなビジネスかどうかだ。たとえば銀行業務に進出した理由は、中小企業に対する財政的な支援をやりたいと思ったから。大企業はどんどんリストラをしており、新たな雇用を生み出しているのは中小企業だからだ。中小企業への融資が事業規模拡大の助けになれば、貧困者のための雇用創出に結びつく。またインターネットビジネスについては、バングラデシュのすべての学校にネットを通じて教材などを提供できるようしたいという考えから始めた。

――金融危機の影響は?

 われわれの活動には大きな影響は与えないだろうと見ている。これまでのところ、バングラデシュにおいては金融危機の影響というのはまだそれほど出ていない。輸出についても大きなダメージは受けていない。もともとバングラデシュの輸出の多くは低付加価値品であり、アメリカでも安価な衣料品などについては需要はそれほど下がっていないからだ。したがって、今回の不況を十分乗り切ることができると考えている。

 ただし中東からの労働者の本国への送金が、これまでは年間30%ぐらいの伸びで増えていたが、それほどは伸びないのではということはあるかもしれない。

――貧困問題を解消するためには、以前から援助よりも投資が必要だというお話をされています。

 私は投資も援助も両方必要だと考えている。投資は雇用や富を創出するために必要である。一方で援助も必要である。たとえば子供たちの教育にしても、第三世界の国々というのは、すべての国民に教育を実施する資金すらない。国際的な援助はどうしても必要なのだ。
ファザル・アベドBRAC創設者兼会長――貧困撲滅は市民の義務。政府だけの仕事ではない(2) – 09/02/22 | 21:00
今後は貧困の基準が変わるかもしれない

――「バングラデシュは2015年までに貧困から脱却する」と発言されています。

 どの国においても、完全に貧困から脱却するということはありえない。たとえばアメリカでも、ごく少数の人ではあるが、やはり貧困ライン以下の生活をしている人はいる。日本でも、やはり少数の人々は十分におカネがなく貧困に苦しんでいるということがあるのではないか。したがって、バングラデシュも貧困から完全に抜け出すということはできないと思っている。

 では、2015年までに何が起きるか。今現在、バングラデシュでは、いわゆる貧困ライン以下の生活をしている人が国民の40%ぐらいいると言われている。われわれは毎年、その率が2~3%ずつ下がることを目指して活動を行っている。ただ、こうした層がごく少数に限られていくには、あと20年ぐらいはかかるだろう。

 もっとも、貧困の水準の定義は今後変わるはずだ。バングラデシュの現在の貧困ラインというのは、家族が十分に食べられないということ、すなわち遺伝子的なポテンシャルを十分発揮できないというラインを指す。これがやがては、子供たちに中等教育を受けさせられないというラインになっていくかもしれない。

――貧困撲滅という本来なら政府がやるべき仕事を、なぜNGOがやるのですか。

 貧しい国においては、政府は必ずしも必要な支援ができない。ただ政府だけがそのような責任を負っているわけではない。市民にも貧しい人を支援する義務があるはずだ。政府やNGO、そして企業の全員が協調して、国全体として引っ張っていくということが究極的に貧困から脱却させていく道なのだ。

 バングラデシュでは国民の半分が非識字者だ。だからこそ、われわれのような組織が教育という面にもやはり手を染めなければならない。そうすれば、やがては国民全員が国づくりに参加できるようになる。

 政府ならば税金を取って、それだけで資金を集めることができるが、われわれにそんなことは不可能だ。つねに努力をし、正しい行いをすることによって結果を出すしかない。そうでないと、誰も支援してくれない。ドナーも資金を出してくれない。

――日本政府がBRACに対してできることは。

 日本政府にはバングラデシュに相当な無償援助をしてもらっている。そのおかげで国の経済も潤っている。ただ日本政府について一つ言えることは、援助については政府のみを対象としているということだ。われわれのようなNGOに直接供与されることはない。ところが、一部のヨーロッパの国の政府は、開発援助については政府とNGOと両方に供与をしている。開発援助については、どのようなルートを通じたとしても必要な人々に届いていればそれで結構だ、というのがそういった政府の考え方である。BRACは日本政府から直接に寄付金は受けていないが、私は、それには不満を言うつもりはない。日本政府は非常に寛大にバングラデシュを助けてくださっている。政府がそのおカネを効果的に使ってくれるかぎり問題はない。

――日本でも新たな貧困層が増えています。貧富の格差が生じるのは資本主義の宿命なのか、それとも政府の施策の失敗の結果でしょうか。

 資本主義というのは、ある程度規制されるべきだと私は考えている。無規制な資本主義にはいろいろな問題が発生しているからだ。資本主義は富の創出という点ではいいと思うが、同時に、社会目的のためには一定の規制も課さなければならない。そうでないと、さまざまな格差や不均衡を生み出すからだ。各国政府は、資本主義というものをいろいろな形で利用しているが、賢明な政府ほど格差を生まないような施策を打っていると思う。

【アベド氏とBRAC】
 ファザル・アベド氏は1936年バングラデシュ生まれ。ダッカ大学および英グラスゴー大学卒業。シェル石油で経理部長を務めた後、バングラデシュの独立運動に参画。1973年に貧困廃絶、教育向上、医療サービスなどに取り組むBRAC(バングラデシュ農村向上委員会)を設立した。BRACは世界最大のNGO(非政府組織)として11万人のスタッフを抱え、国内3800カ所に拠点を持つ。6億ドルに及ぶ予算の7割は自主財源であり、BRACが手掛ける事業からの収益で賄っている。現在では活動範囲をアフガニスタン、スリランカ、パキスタン、タンザニア、ウガンダ、スーダン(南部)、リベリア、シエラレオーネに拡大している。

(鈴木雅幸、大坂直樹 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/f142693dd06c04614793cb2ec2cbdab0/page/1/

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バブル崩壊とIT革命の先にあるもの

Posted by Shota Maehara : 2月 19, 2009

バブル崩壊とIT革命の先にあるもの…

19世紀以来の製造業を中心とした近代のパラダイムがいよいよ終焉を迎えている。政治的混迷はその一つの表徴でしかない。

今われわれに必要なのは現在にとらわれることなく、明治以来の近代化の功罪をしっかりと検証しながら、かつ未来を見据えて、それに備えておくことである。目の前に現れつつある世界はまだ名付けられぬ何ものかである。人々は先が見えないだけに不安に駆られもするだろう。

しかし、唯物論的には、我々の意識すら何らかの物質的な根拠を持っている。したがって、その根拠が根底から変化してしまえば、我々のものの感じ方や思考のスタイルも好むと好まざると変わらざるを得ない。人はどんな環境にあっても順応していく生き物である。そして、どんな生物も生き残るために全力を尽くす。それが宿命なのである。

ではバブル崩壊とIT革命の先にあるものとは何か。それは「少子高齢化」という避けられない波である。政治における民主的選挙、経済における終身雇用、教育における集団授業、メディアにおけるマス・コミュニケーション、これらの制度麻痺は実はここに淵源している。なぜならば、いずれもがマス(多数集団)を前提とした画一的な制度設計であるからだ。だが、近代はたかが120年の産物である。それまでの中世は権力や価値観がはるかに多様化していた。我々の未来もまた中世に回帰するかのように、地方分権体制を特徴とするものとなるだろう。

具体的にいえば、国内では、介護など労働の現場や教育の現場に多くの外国人労働者やその子供が参入し、単一の価値観では物事を処理しきれなくなる。そのため英語はもとよりアジア各国の歴史を教えられる教師を養成・配置しなければならい。対外的には、アメリカのプレゼンスが衰退し、国際政治が多極化してくるために日本の軍事力を揺ぎ無いものとする必要がある。ただし、人口動態で若年の労働人口が減少してくるということは、同時に兵員の数も減少してこざるを得ない。ここでもゆくゆくは外国人によって補填するべきかどうかの選択を迫られるだろう。

だが、物質的に豊かになり、人口が減少してくる先進国で、個々のニーズや要求の高まりと政治的一体性をどう両立させてゆくか。この矛盾ははなはだ大きいと言わざるを得ない。政治的には選挙で勝つためにはどうしても細かい政策よりも一体的なスローガンによって人心を掌握していく。孔子は論語の中で、「民はこれを由らしむべし、知らしむべからず」と述べたがまさに現代政治にこそ当てはまる。情報化した社会の中の見えない情報統制こそが鍵である。

私がいま「少子高齢化」と並んで最も懸念しているのが大学を中心とする「知の職人」の消滅である。インターネットによって情報が行き渡るようになって、逆に事実や言葉が持っていた重層的な歴史性が忘れ去られてしまう。いまがすべてであるという軽薄さ。それによって誰もが学者になれるし、作家になれるし、ジャーナリストになれると嘯く。やがて知識がどんどん表層的になっていく。つまり、たんなる記号になっていくのである。これが一億総娯楽化した日本人が新しい産業を興せない真の理由なのではないか。

経済の専門家と称する人々に警戒せよ。彼らこそ、抽象的な数理によって、歴史を排除することによって、我々の社会を貧しくする。個々の専門的な知識(科学、歴史、政治、経済、芸術等)を統合する「コモン・センス」(常識)こそ最も必要なものである。そして人文学の考え方では、統合する知こそ「哲学」(philosophy)である。多様な技術を組み合わせてゆく知の職人こそが私たちの新しい文明を築く担い手となるであろう。

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民主主義の擁護

Posted by Shota Maehara : 2月 18, 2009

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「…デモクラシーが望ましいのは普通の選挙民が政治的英知を所有しているからではなく、権限を独占する特定の集団が必ずや、自分以外の人々はある特定の生活の便益を享受しないのが望ましいと証明する理論を発明するゆえに、それを予防するために必要なのである。この傾向は人間性の中でも、最も可愛げのないものの一つであるが、全階級そして男女両性全体への正当な権力の配分以外には、これを封ずる十分な方策がないことは歴史が明瞭に示している。」

・… Democracy is desirable, not because the ordinary voter has any political wisdom, but because any section of mankind which has a monopoly of power is sure to invent theories designed to prove that the rest of mankind had better do without the good things of life. This is one of the least amiable traits of human nature, but history shows that there is no adequate protection against it except the just distribution of political power through all classes and both sexes. (3 Aug. 1932: In: Mortals and Others; American Essays 1931-1935,v.1)

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グローバル資本主義と人文学(ヒューマニティーズ)の衰退

Posted by Shota Maehara : 2月 5, 2009

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ジェイン・ジェイコブズ『壊れゆくアメリカ』(書評) [評者]柄谷行人(評論家)

■集団的記憶喪失が文明を暗黒へと

 著者は1950年代に、ニューヨークのジャーナリストとして高速道路の建設や都市開発に反対する運動をおこし、さらに60年代には、近代の都市計画を根本的に批判する理論家として注目を集めた。その核心は、モダニズム以来の都市計画にある、ゾーニング(住宅地とオフィス街を分ける)というアイデアへの批判にある。都市は、雑多なもの、古いものと新しいものが集中的に混在しているときにこそ、活発で魅力的なのだと、著者は主張したのである。

 本書は2006年に亡くなった著者の遺作となったエッセー集である。著者が90歳に近づいて活発に考え、かつ活動していたことを知って、私はあらためて感銘を受けた。本書には格別に新しい考えはない。著者が50年間いい続けてきたことと同じだといってよい。しかし、同じでないのは、50年前と現在である。

 現在、多くの人々は昔の都市を覚えていない。たとえば、ロサンゼルスに、かつての東京と同様、路面電車が街中を走っていたといっても、誰も信じないだろう。「モータリゼーション」が都市や都市の生活を根こそぎ破壊したのに、もうそのことに気づくことさえできない。過去を覚えていないからだ。そのような集団的記憶喪失が、各所におこっている。

 著者は、大学改革についても、都市計画と同じ問題を見いだしている。たとえばアメリカでは、大学教育をより効率的にするために、ムダと見える学問、特に、人文学を切り捨ててきた。日本でもその真似(まね)をしている。その結果、一昔前なら、誰でも知っているべきだった文学を、今、ほとんどの人が知らないし、知らなくても平気である。

 本書の原題は「暗黒時代が近づいている」という意味であるが、暗黒時代とは、ローマ帝国が滅んだあとのゲルマン社会で、ローマの文化がすぐに忘却されてしまったことを指している。そのような事態が現在おこりつつある、という著者の予感に、私は同意する。それをひきおこしているのは、いうまでもなく、グローバルな資本主義である。

    ◇

 Dark Age Ahead、中谷和男訳/Jane Jacobs 1916~2006。都市専門家として活躍。

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文明は印刷やインターネットでは伝えられない技術である

Posted by Shota Maehara : 2月 5, 2009

文明とは印刷やインターネットで伝えられるのではない。口伝えで、生きて伝えられていく。―ジェイン・ジェイコブズ『壊れゆくアメリカ』

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Ingrid Fujiko Hemming – La Campanella

Posted by Shota Maehara : 2月 1, 2009

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