I am the vine; you are the branches

Shota Maehara's Blog

Archive for the ‘詩’ Category

主よ、私の生涯をあなたの御手にゆだねます

Posted by Shota Maehara : 10月 10, 2010

「初めに、神が天と地を創造した」(創世記第一章第一節)

“世界は私たちにとって大きくもなければ、小さくもない。それは人間のために主がお創りになった聖なる住処。そして、私たちもまた神にデザインされた最高傑作。たしかに、私たちはいつも一人で歩くように見える。でも、いつも主が共にいてくださる。倒れても、また、ふたたび立ち上がれるまで後ろで見守っていてくださる。愛が私たちの道を掃き清める。もし私たちが偉大な仕事を成し遂げたなら、主に感謝せよ。私たちのすべては主の御手の中にある。人間である私たちの名ではなく、私たちと世界をお創りになった主の御名があがめられますように。いつまでも永遠に命の糧を与え続けてくださる方。主に感謝せよ。―愛するイエス・キリストの御名において アーメン”

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「自由」という牢獄

Posted by Shota Maehara : 9月 23, 2010

 

列車から降り、
駅のホームに降り立つと
四方八方から押し寄せる
乗客の群れに押し流されそうになる

現実のようでいて夢のようでもある光景
世の中では様々な出来事が起きて、
我々の生を変化させ、前途に影を落とす
でも、人々は素知らぬ顔をして笑い合う

人間は遥か昔から変わらぬようでいて
同じ名前で呼ぶのがはばかられるほど
変わってしまった。スピードが我々の生を
引きずりまわし、回転させ、弾き飛ばす。

今や「自由」という言葉に魅力はない
なぜならば、我々はもう十分に自由だから
自由からの逃走は不可能なのだ
自由に恋愛し、自由に職業を選択し、
自由に移動するが、どこにも休息はない

これでもはたして人間と呼べるのか、
いや、もしかしたらこれこそが人間の
あるべき姿だったのだろうか、
科学による進化と資本の蓄積、
いつまで続くのだろうか、不吉な耳鳴りは。

(2010.9.23/akizukiseijin)

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聖なる日々よ

Posted by Shota Maehara : 8月 1, 2010

紫に染まった夕焼け空
一日の幕が静かに閉じる
熱風と陽射しに焼けた街並みが
熱を帯びて佇んでいる

長かった夏の一日が 少年の頭の中で
思い出に変わる
褐色の肌に 鮮やかな浴衣を身に纏って
少女たちは街を泳ぐ
彼らとすれ違う私の胸に 
置き去りにしてきた記憶の手触り
が蘇る 

あの頃、
眼の前の空は無限だった
広がる大地も無限だった
一日の時間も無限だった
それでいてそのすべてが
小さなポケットに収まってしまった

聖なる日々よ、もう一度

(2010.8.1/Akizukiseijin)

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人間の忘れっぽさ

Posted by Shota Maehara : 7月 25, 2010

人は忘れゆく存在
喜びも 悲しみも 幸福すらも

ただ 懐かしい過去の風に吹かれて
心の中に寂しさを抱えている

人は慣れてゆく存在
人のありがたみも 誰かからの愛情も

空気のように無感覚になっていき、
全てを失った時、その本当の価値に気づく

人は離れてゆく存在
あるべき場所からも 光のあたる場所からも

人は素晴らしいものをもとめるが、
やがてそれにも慣れてしまう。だからまた求める。
まさしく欲望には限りがない。

私は知りたい
我々は一体いつまで求め続けるのか。
そして、何を求めているのか。

霧のなかにこそ真実はある

(2010.7.25 Akizukiseijin)

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月夜に吠える

Posted by Shota Maehara : 7月 18, 2010

道端にうずくまる酔いつぶれた男のように
 私の心も 世界とのコミュニケーションを
        閉ざして蹲(うずくま)る

他者と分かりあうこと これほどの神秘が
   この世の中にまたとあろうか
  誰もが自分のことは自分しか知らないと
   自らの殻に閉じこもる中で、
  孤独という代償を払って、得た静寂に
          何の意味がある

人と交わらない生活を望む君
だが、君は本当の孤独というものを知っているのか
 もし人が一生独りで生きられるのなら
       言葉をもつ必要もなかった

夢のような人生で、消えゆく泡のように
      自己の存在も一瞬にして消え去るのみ

(2010.7.17 Akizukiseijin)

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「進歩」という名の逆風

Posted by Shota Maehara : 7月 15, 2010

人は生きるために働くのか、それとも働くために生きるのか。
涙とともに故郷を追われ、家族を奪われ、命さえも奪われる。
人間とはなんと憐れな生き物であろうか。

安らぎもなく、精根が尽き果てるまで働き続け、
命を枯らして、そして死の床に横たわる。

終電で体を弓なりに曲げて眠り込む仕事帰りの乗客。
その姿は、祈りのようにも見える。体を支えられず、
隣の乗客にもたれかかる疲れた男と女。
この夜の墓場。

ゆらゆらと亡霊のように体を左右に揺らしながら、
隣の乗客が席を立つとシートに頭を打ち付ける。
そしてふたたびその単調な動きを繰り返すのだ。

ふと目覚めたときここが天国ではなく、死の谷へ向う、
鉄の箱舟であることに気づくまで。

物のすれ合う音、軋む音、ぶつかり合う金属音。
それは死の谷の住人が奏でる「交響曲」」(symphony)。
下品な哄笑が混ざり合う。一列に並んだ揺れる吊革。

彼らの顔の皺一つ一つが物語るのは、破れたかつての夢の跡。
それは一つの象形文字のように、不気味に闇夜に浮かび上がる。
感傷的な物語。だが誰もそれに見向きもしない。
映画のエキストラ、名もなき者たちに感情移入する客はいない。

いまや貨幣を介して世界は変わる、社会も変わる、
そこに住む人間の精神を置き去りにして。

切なさや情熱とは無関係に新しいものが地上に生み落とされる。
否応なく私たちはそれを受け取り、自らの生活を変えてゆく。
「進歩」という名の逆風、それが善か悪かを誰が知ろう。

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鉄道―その光と影

Posted by Shota Maehara : 7月 13, 2010

脚色された都会のネオンから錆びついた郊外の街灯へと
疲れてふだんより重くなった体を引きずりながら帰る夜
人もまばらな駅の階段で、赤黒い棒のようなペンが落ちていた。

私はその一本のペンを拾い上げた。
そして、このペンの持ち主は果してどんな人物であったのだろう、
一体、どんな経緯で私の手元に来ることになったのかと、
とりとめのない空想に耽った。

その時に不思議と、
私はけだるい体の内側に新鮮な力が蘇ってくるのを感じた。
何らかのきっかけは思いがけずふとしたところからやってくる。

まさに詩を書くことは、このペンの運命のようだ。
どこからともなく現れて、またどこかへ去りゆく
持ち主が言葉を選ぶのではなく、
言葉が自ら詩となるためにその持ち主を選ぶように。

しばらく世界を見ることを忘れていた私の眼は
夜の静寂と闇を疾走する夜の列車に揺られながら
車窓の外に向かっていた。

一体これから私はどこに運ばれていくのだろう。
そうした疑念とともに、しかし、書くこと、
ただそれだけが唯一の答えだ、という心の声が聞こえる。

夜の車内。顔を失った顔。髪をかき上げるしぐさ。
若さを内に秘めながら、いまだその輝きを燃やすことなく
持て余すようにして途中の駅で列車を降りる女性。

それこそこの時代の最良の隠喩(metaphor)ではないか。
誰からも見捨てられ若さを切り売りする以外に生きる術のない
醒めた老人の国。散乱した人々の魂よ。

(2010.7.13 Akizukiseijin)

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異邦人

Posted by Shota Maehara : 6月 17, 2010

薄暗い森で彷徨う獣の様に
私は昼と夜を彷徨う
誰からも必要とされず、
叫び声は虚しい残響となる

私は愛の抜け殻のように
他人の死に無関心となり
他人への憎悪を募らせる
破滅すら微笑

「光明を喪失した世界で
私は異邦人であった」
安らぎも希望もなく
ただ歩き続ける日々

天を見上よ、
氷の太陽が世を照らす
陽の光はかつて何者かに
奪われたままだ

私は血に飢えた
他人の不幸を糧にする
森に住まう闇の眷族
愛が私を憎しみに駆り立てる

身内に愛を感じられぬ時
人は醜い獣となり、
森で生け捕りにされ、
街でサーカスに売り飛ばされ、
無気力な道化師に
操られてしまう運命なのか。

(2010/6/17 Akizukiseijin)

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愛のある場所

Posted by Shota Maehara : 6月 12, 2010

雲ひとつない晴れた夏の空の下で
あなたはまるで神などいないかのように振る舞う
日々罪を犯し、そしてそれをなすりつける相手をいつも探している。

地上は闇に沈み、
世界は地獄の深淵がその大きな口を開いて、
私たちを飲み込もうとする。

私の隣で、ひとりまたひとりと力尽き、
赤黒い炎の中に落ちていく。

盲目の羊飼いに先導されて、救い難き罪を犯し、
それでいて孤独で、担うべきくびきはいよいよ重い。
この憐れなる存在 神よ御目を止めてください。

想像の翼は萎え、無数の星たちが虚空に私を閉じ込める。
私はただ囁きかける風の音に、怒りを込めて声の限り叫び続ける。
生と死の谷間で深淵に架けられた唯一つの橋。

汝、主イエス・キリスト。世の光よ。

すべての罪は自らに帰し、土くれはやがて土に帰る
誰もその重荷を担うことはできない、神の独り子、汝以外には。

人々はこの信仰を嘲笑うだろうか。
人は神なしで生きられる、神は死んだのだと。

でも、彼らは知らないのだ。あなたが死の旅に出た後、三日目に蘇られたことを。
その時私たちの罪を背負い、永遠の命を授けてくださったことを。

この地上で戦いは繰り返される。欲望の幻をめぐって。

とめどなく流れる血の泉に、身を浸して、帰還兵は何を夢見るのか。
鮮血で染まった過去の時間が眼前に再び現れる夜、
私たちの恐怖や悪夢が遠く過ぎ去ったとは言い難い。

希望と失望が日々めまぐるしく交錯し、無数の霊が彷徨う
たった一人、観客のいない競技場で、鳥たちとともに、
祈ることも忘れ、ただ立ち尽くしている。
胸の奥に潜む心の渇きを、他人から隠すように。

主よ、まさしく私は乾いてひび割れた土の器。
脆く、砕けやすい存在。
愛によって形作られた存在。
もし愛なければ、一瞬たりとも生きていくことはできない
この卑小な存在を、主よ、どうか憐れんでください。
そして、ただ一度だけ、その瞳を私の瞳に向けてください。

(2010/6/13/Akizukiseijin)

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恩寵

Posted by Shota Maehara : 6月 10, 2010

世界よ、蘇れ
地上は祝福に満たされ、
混沌とした薄明の中から
我が世代は雄々しく立ち上がる

人々よ、蘇れ
身内に力は溢れ、
誰もが自れの可能性を信じ、
新生児の誕生を祝うように踊る

天の御国よ、この地上に来たれ
そして地上の闇を吹き払いたまえ
人は愛を求めて彷徨う 罪深き存在

だが、あなたとなら、あなたの衣に
触れさえするなら 見出せるだろう 
荒野の中で 求めてきた唯一つの答えを

そう、あなたの楽園に帰る 道のりを
私たちの祖先が遠い記憶に刻んだ、
あの日の道のりを

地上に太陽が恩寵のように降り注ぐ
翼を折りたたんだ人間たちは、今、
誰一人残されることなく、鳥たちとともに
あなたの高い御座の許へ飛翔する

(Akizukiseijin、2010.6.11)

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