近代哲学について(スラヴォイ・ジジェクのノート)
Posted by Shota Maehara : 5月 24, 2011
「次に、多文化主義を語るうえでの、ヨーロッパの宗教的・イデオロギー的遺産に含まれる貴重な側面があります。私にとって守り抜く甲斐のあるヨーロッパ的価値とは何か?近代哲学の初期段階においてはすでに…デカルトの『方法序説』を読めば、彼が思想の追究を始めたきっかけが書いてあります。他の文化が滑稽に映る様子と同じように、もし自身の文化を異邦人の視点から捉えたらどうか?それで、どれほど滑稽かが認識できる。自らの文化がいかに偶然かを実感するわけです。生れついた文化が自然だと思わせる生来のルーツから、離脱することができるわけです。間違っているかもしれませんが、私はこの体験こそがヨーロッパがもたらしたものだと考えています。そのような意味で、ヨーロッパは真の普遍性を導入した。ヨーロッパの遺産において肯定できる側面です。」―スラヴォイ・ジジェク 『人権と国家』(岡崎玲子訳、集英社新書、二〇〇六年、9頁)
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