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Shota Maehara's Blog

日本の英語教育におけるイノベーション

Posted by Shota Maehara : 2月 19, 2011

ある中学生たちとの対話の続きで、一人の女の子が将来は自分のお母さんのように学校の先生になりたいと、それもできれば好きな英語の先生になりたいと言いました。しかも何人かが同じような夢を語りました。これに対して私自身は正直あいた口がふさがらなかったというのが率直な感想でした。皆さんは、これを聞いてどういう感想を持たれるでしょうか。

私は彼らに自分なりに考えていることを言いました。つまり、「君たちが就職する十年後にはもう英語教師などという職業は消滅しているだろう」と。そして「もし、その時までまだ英語教師が存在しているとすれば、今度は日本が経済的に消滅しているだろう」と付け加えました。

確かにこれはかなり過激な意見です。しかし、これは私の嘘偽りない心情の吐露なのです。なぜなら、一体我々は戦後から何十年かけて長々と英語を勉強してついに身に付かずに終ってきたのでしょうか。英語を使えるようになるということが英語教育の本来の目標なら、これほどまでズレている英語教育を一体いつまで続ける気なのでしょうか。日本人とはかくも愚かなのでしょうか。いや、そんなはずはありません。要はやり方が間違っているだけなのです。

私の経験からいえば、英語をマスターするのに中学校から大学までの十年間という長い年月は必要ではありません。中学三年間で十分です。日本の教育の悪いくせは、論理的思考にしても英語の習得にしても子供にはここまでしかできないと決めてかかってカリキュラムを編成していることです。そして、何より効果の上がらない事実を見てもその方法を変えずに、フィードバックさせず、駄目なことをやり続けていることです。

むしろ、基本的な文法や単語をマスターさせたら、どんどん英英辞書を引かせ、授業・教科書はすべて英語で書かれたものを英語で行い、日本語を一切使わないという環境で勉強しないと語学は上達しません。日本の英語教育の伝統は、英語はきれいな日本語に置き換えて理解するものだという致命的な幻想の基におそろしく迂遠な方法とっていることです。むしろ、いかに英語を訳さずに理解し、英語の言葉の世界を頭に構築していくか。そのためにこそ英英辞書を使うのです。

これはドイツ考古学者で語学の天才のシュリーマンの方法に基づいたものです。彼は自叙伝『古代への情熱』の中で自分の語学上達法についてこう述べています。先ず第一に絶対に訳さないこと。第二に、できるだけ音読すること。そして第三に、できるだけ用例を覚えること(文法ではなく)。さらにシュリーマンは教会に通って、牧師さんが読むとおりに自分も後に続いて外国語の聖書を読んだりしていたそうです。これも大変効果的な方法だろうと思います。

さらに授業の面でも、かつてアテネ・フランセ―ズで作家の坂口安吾や辻潤など多くの著名人がフランス語を覚えたのもこの授業スタイルによってだったそうです。さらに歴史に詳しい人なら、明治初期の大学で、お雇い外国人のもとで英語によって行われた授業を挙げることもできるでしょう。

なにより私たち日本人の英語教育に最も欠けているものとは何でしょうか。それは危機意識、すなわち動機付けだと思います。必要は発明の母というように、なぜ語学をやるのかを、社会的認識と結び付けねばなりません。世界が急速にグローバル化する中で、日本が流れに取り残されるまでの時間はそれほど長くはありません。こうした意識を国民が広く共有するべきでしょう。そのうえで英語を勉強するべきです。

いずれにしても、我々は英語教育の面においても、今後イノベーションを起こさねばなりません。そのためにはまず子供はここまでしかできないという既成概念を打ち壊していかねばならないでしょう。語学に唯一絶対の方法、万人向けの方法などありません。皆さん一人一人が何が自分に向いていて、効果的な方法か。そして、自分はどういう成果を求めているのか。このことを考えながら腹をくくって勉強すれば絶対に語学はものにできるはずです。

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コメント / トラックバック2件 to “日本の英語教育におけるイノベーション”

  1. facebookで紹介させていただきました!

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