信仰の騎士
Posted by Shota Maehara : 12月 31, 2008
古えの土地に降り立った私は、
何か奇妙な考えに取りつかれていた
進むべきか進まざるべきか、
その答えは容易に探り当てられそうにない
行き交う人々の顔は異様に白く、
かつて出会った死人を思い出させた
ちょうどその時、地面に平伏する一人の老人を見た
彼は全身を大地に擦り付けるようにして、
小さく祈りの言葉を口にしていた
老人の目の前には神があり、
そして一切が許されていた
(2003.7.9 秋月誠仁)
akizukiseijin said
この時代は何処へ向かうのか。漠然とした不安の中で、自分の道を進みかねて彷徨う人々の群れ。その流れの中で誰もがもがき苦しむ。私は、人々の顔を凝視することができない。それはこの世のどこか果て、黄泉の国に降り立った旅人のように見るものを蒼ざめさせる。でも、そこに光が、ほんの僅かながらも光が現れる。一人の老人の口から洩れる祈りの囁きとして。