I am the vine; you are the branches

Shota Maehara's Blog

 企業組織の誕生

Posted by Shota Maehara : 9月 20, 2007

ドラッカー名著集1 経営者の条件

ドラッカー名著集1 経営者の条件

ここ最近日本でも大企業からベンチャーへの優秀な人材の移動が目立つ。終身雇用制が崩壊したいま、より経験の積める場を求めて労働の流動性が高まったことは、歓迎すべきだろう。しかし、今回改めてドラッカーの名著『経営者の条件』(The Effective Executive)を再読してみて考えさせられることが多々あった。

本書は、現代の知識社会において、あらゆるビジネスパーソンがエグゼクティヴとしていかに成果を上げるかを眼目として書かれている。政府、企業、学校、病院、NGOを問わず、成果を上げる能力は必ず修得できるとドラッカーは述べている。

目次:

序章 成果をあげるには

第1章 成果をあげる能力は修得できる

第2章 汝の時間を知れ

第3章 どのような貢献ができるか

第4章 人の強みを生かす

第5章 最も重要なことに集中せよ

第6章 意思決定とは何か

第7章 成果をあげる意思決定とは

終章 成果をあげる能力を修得せよ

そもそもドラッカーの経営論の核心は“Manage yourself”(自分自身をマネジメントせよ)である。だが実際働いてみると、企業組織とは部下や同僚や上司とのやり取りを巧く舵取りできるかが大きな比重を占めてくる。本書を読むと成果をあげるとはあくまで組織の中で成果をあげることだと強調していることに今一度気づかされる。

特に第4章「人の強みを生かす」は、そのエッセンスであり、この観点からもっとも読み応えのある箇所だ。なぜ私たちの活動にとって「組織」は必要なのだろうか。それは、天才でなく、平凡な人間が自らの強みを持ち寄り、弱みを中和させ、これにより非凡な成果をあげるためだと彼は言う。そこで重要なのは「人」に合わせて「仕事」を決めるのではなく、「仕事」に合わせて「人」を決めることとその術である。その語り口はつねにシンプルかつ適切だ。

ドラッカーは一昔と違い、肉体労働ではなく知識を基盤とする社会は組織の社会であると述べている。だが、私が興味深く感じたのは、彼が人間とは本来組織に適合するように神によって作られてはいないと考えているふしがあることだ。つまり近代に作られた人間にとって不自然で、人工的な構築物をいかにコントロールすべきかを彼は問うているのである。

近代社会は、政府であれ、大企業であれ、組織の複雑化によって官僚機構を抱え込まざるを得ない。今日、これによって組織が硬直化したために、ベンチャーへの志向が高まっている。しかし、時代が変わったからといって、我々は近代の刻印たる組織の論理からたやすく逃れることができるのだろうか。

近年の、新旧の組織によって、トップの強引かつ無責任な経営を問われる事態が相次いでいる。これは時代が変化しても、我々はいまだ組織の中で存在し、ここで成果をあげるざるを得ないことの証左ではないだろうか。その意味で次世代の企業や市民運動のリーダーに今改めて紐解いて欲しい一冊である。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中