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Shota Maehara's Blog

第5部 二一世紀のアジア・デモクラシーへ

Posted by Shota Maehara : 8月 16, 2007

確かに、これまで見てきたように韓国と日本の市民が直面している課題は異なっている。いまだ中央と地方との葛藤や差別に悩む韓国の市民は、すべての市民が豊かさを享受できるような「平等」な社会を目指さなければならない。それに対して、中央と地方との葛藤や差別が一応解消され、一定の豊かさを享受しうるようになった日本では、諸個人の「自由」に立脚した社会を築いていかねばならない。

しかし異なるからこそ私たちは互いの経験から学び合い、交差させ、新しい異種混交的なデモクラシーを創造していくことができる。それを私は個人の自由に立脚したリベラルな社会主義の実践であると見なす。こうした二一世紀のアジア発のデモクラシーこそポスト近代を象徴する民族や宗教の対立を乗り越える人類の文明化への第一歩なのである。

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コメント / トラックバック6件 to “第5部 二一世紀のアジア・デモクラシーへ”

  1. sugito36 said

    貴重なご意見拝聴しました。日本:諸個人の自由に立脚した社会、アジア発のデモクラシーと言う点に、心打たれました。ありがとうございます。

  2. Miho said

    初コメさせていただきます♪日本を出て、NYにいき、私はそこでたくさんの世界感というものを見てきました。だからこそ思う、アジアの文化のすばらしさがあります。有名なハーバード大学の教授が、人と何かを交渉するのであれば、日本人に勝る民族はいない。といいます。なぜなら、日本人は引いて勝つという方法を知っているからだそうですが…。アジア発のデモクラシー。そういう考えを持つ、自発的に動くことのできる日本人がもっとたくさん出てきてくれればいいなぁ。と思います。そして、もちろん自分もそうありたいと思います。

  3. ☆Mihoさん、コメントどうもありがとうございます。いや、Mihoさんそのものがアジア・デモクラシーだと思います。日本を出て何かにチャレンジする精神は、スゴイと思いました。☆何かさわやかな風が吹くようなそんな新鮮な出会いを私も待ち望んでいます。そうして世界が少しづつ一つになっていけばいいなと願っています。☆Mihoさんとブログでやりとりできて、何だか心が軽くなった気持ちがします。この幸運に感謝してます。また遊びにいらしてくださいね。

  4. スポンタ中村 said

    なかなか難しいですね。インターネットが普及しているのだけれど、それによってインドのカースト制度が崩れることはないし、韓国の儒教的秩序が解消されることはないと、私は考えています。インドでは、同じカースト同士のお見合い・出会いのツールとしてインターネットが使われているという。インターネットが使われるようになっても、カースト制度が崩壊するという現象はいまのところ少ないのかもしれぬ。韓国のネット社会も、儒教的秩序を逃げるために若者たちがネットを使っているのであって、ネットが儒教的秩序を崩壊させるまでには至っていない…。一方の日本でも、エスタブリッシュとネット者の断絶がある。そのような現状を思えば、デモクラシーという言葉をどこまでフラットに使えるのか。それは、極めて疑問であるということ。考えてみれば、明治時代のデモクラシー運動は、薩長に退けられた土佐と肥後の人達がやっていた言論活動でしかない。そこにどれほどの民意が混じっていたのか…。それは、オーマイニュースの韓国版でも同じこと。オヨンホ氏は、自説でしかないものを市民発信のものであると宣伝したに過ぎぬのです。私に見えているネットの現実と、ちょっと違うな…。なんて、思いました。ありがとうございました。

  5. Critical Horizon said

    ★スポンタ中村様。御忙しい中コメントいただきまして誠にありがとうございました。★オーマイニュース等は、2ちゃん関係者が批判するように、大手マス・コミと比べて、取材力や資金において劣り、2ちゃんのような掲示板に比べて、個が匿名で記事を自由にどんどんアップできるという風でもなかった。★事実、最終的にはプロの編集者(ジャーナリスト)が、原稿に手を入れた上で、ボツにするかを最終判断した。この検閲(自由度の低さ)と時間的なロスは、この手の市民参加型ジャーナリズムの成否には致命的に働いたと思います。★ただ、このあたりの事情はスポンタさんの方がはるかに良くご存じでしょう。私もいただいたコメントのすべての意味を考え尽くせているわけではございませんが、自分はまだ青いなと痛感しました。例えば、安易に「民主主義」という大きなタームを使ったこと、そして自分の考えを人に分かるように明確化できていない未熟さにおいて。おそらく私は「グールド」をいまだ捉えきれていないのではないか。そう改めて感じてもいます。★インターネットが、インドのカーストや韓国の儒教秩序、日本のエスタブリッシュとネット者の溝を未だ埋められないでいるというご指摘は全くおっしゃる通りだと思います。★しかし、いくつかの疑問も挟まねば、誠実さにおいて欠けるとも思われますので、ご返事させていただきます。まず、インターネット革命によってあらたな表現の問題(たとえば総表現社会)が噴出したとされ、情報発信の主体(匿名言論)等をめぐって色々な議論が交わされていますが、これらは少しも新しくない。むしろ近代芸術(特に19印象派から20世紀抽象表現主義まで)の課題です。たとえば、エスタブリッシュとネット者の比較による批判は、かつて大衆芸術と純粋芸術を共に批判した鶴見俊輔(『限界芸術論』)やクレメント・グリンバーグ(『アバンギャルドとキッチュ』)を思い起こさせます。彼らは民衆の無垢性や匿名性や無名性によってステークホルダーによる言論の利害性・目的性を批判しようとしました。★確かにプロの書き手による言説、大手マスコミによってつくられた世論のいずれも私は信じない。だが、第三の視点として真の「民意」であれ、真の「伝統」であれ、そうした架空上の一点を私はさらに信じることができない。これらいまだ声を持たない語らざる潜在的勢力とは神話ではないのか。もっといえばスポンタさんがいうネット者の「個」というものの自律性をナチュラルに信じることができないのです。★私は、スポンタさんがこのどちらの側にも陥らず、現場から次の一歩一歩ネット言論の姿を構想しようとしている姿に感動します。しかし、このケースで、秩序と自由、そしてセレブとネット者の弁証法で語ると、もしかしたらご自身でも気づいているように、ネグリが見出したマルチチュードやそれが反転したかつてのファシズム的な民衆そしてそして、現在でいえばオウムやテロの人々に行動の可能性や正当化の理由を与えてしまいかねないのではないでしょうか。★私が今取り組んでいる課題は、こうした旧秩序側と新たな自由者側との不毛な弁証法的な対立が、社会に暴力(言論・行動の両面で)を発生させることの危険性に備えることです。★若輩者の自分が長々と書いてしまいました。ただ私は、スポンタさんがこれらの課題と必死に取り組んでいる最中だと考えています。だからこそ常に多くを学ばせていただいていますし、差異があるからこそ対話を継続させていくことの重要性を感じてもいます。★一ブログ読者からの要望として、自身の考えを人に誤解無きよう体系化し明確化されるほうがいいのでは、ささやかながらお願いいたします。スポンタさんは否定なさるかも知れませんが、ご人身の発言はもうすでに社会の誰かや何かを代弁・代表してしまっているのです。不思議にもそれが発言と言うものですね。だからこそ「責任」が生じてくるのだと思います。匿名もこれからは社会に対してではなく、自分に対して責任を負うべきではないでしょうか。★どうか言論を続けていってください。佐々木氏らには私はエリート主義的なものしか感じれません。この課題はスポンタ中村さんがブレークスルーしてください。必ずできると信じています。期待しています。感謝をこめて。

  6. 度々コメント差し上げてすいません。スポンタさんと私の「ネット言論における秩序」の捉え方の違いをもっとシンプルにいえないかと考えました。次のように要約してみます。A.ハイエク派=自生的秩序(spontaneous order)→ スポンタ中村さんB.マルクス派=自然成長性(naturwuchsigkeit)→Critical HorizonA,Bともネット言論の秩序を提供者が前もって決めて、みながそれに従う秩序観に対して、ユーザーが自然発生的に緩やかなルールを作るような秩序観である点では同じである。しかし、私は、前者に計画経済と同じような予定調和性、目的論的意図をつまりアダムスミス以来の神学臭さを感じています。その点が、池田信夫さんに同意しながらも完全に一致できない点なのです。それに対して、マルクスの「自然性成長性」とは、「計画的な組織によって管理できないが、同時に自生的秩序なるものを絶えず解体してしまうものでもある」。このアンチノミーの上に社会のダイナミズムを捉えるべきだと私は考えています。

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